骨とカルシウムの関係

骨は常に作り替えられている

 骨は古い骨を壊して新しい骨が常に作り替えられており、大人では3~5年で全身の骨が入れ替わるといわれています。この骨が入れ替わるサイクルを骨代謝といい、骨を壊す破骨細胞(はこつさいぼう)と骨を作る骨芽細胞(こつがさいぼう)が働いています。

 破骨細胞は血液系の細胞で、骨の表面に貼りついて酸や酵素で骨を溶かし(骨吸収)、ある程度骨が溶かされると、その部分に骨芽細胞が集まり、コラーゲンを分泌して石灰化させて骨を形成(骨形成)します。

 この骨吸収と骨形成を繰り返す骨代謝のサイクルは、健康な人はバランスがとれていますが、カルシウム不足や加齢などでバランスが崩れると骨吸収が亢進します。

加齢とともに骨量は減少

 骨は男女ともに生まれてから増え続け、20歳頃にピークに達します。男子は男性ホルモン「アンドロゲン」の働きにより骨が強くなります。女子は初経後、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が始まると男子に比べ鈍化しつつも骨吸収を抑制するよう働いてくれます。

 しかし、女性は閉経するとエストロゲンの分泌が急激に減少するため、骨吸収が亢進し、骨粗鬆症のリスクが高くなります。無月経や生理不順の場合でもエストロゲンの分泌量が少なくなると言われています。

 男性は女性に比べて骨粗鬆症のリスクは低いのですが、生活習慣病があると骨密度が減少し、骨質が悪くなるので注意が必要です。


現代の日本人はカルシウム不足

 必要な骨量をキープするにはカルシウムを補うことが重要ですが、現代の日本人はカルシウムの摂取量が少ないと言われています。他の栄養分、脂肪や糖質、たんぱく質などについては取り過ぎと言われているのに、カルシウムに関しては他の国に比べて少ないのが現状です。

その理由として、下記のようなことが考えられます。
・火山灰が多い日本の土壌から取れる野菜や水にはカルシウム量が少ない
・農薬や化学肥料で育った野菜や穀物などを摂取している
・食生活の欧米化で魚を食べる量が減った
・インスタント食品や加工食品に添加されているリン酸塩が
カルシウム摂取を阻害している
・骨まで届かないカルシウムを摂取している など

 厚生労働省の「国民健康・栄養調査」でもカルシウムの摂取量は、男女共にどの年代も推奨量まで届いていません。毎日の食生活でカルシウムを多く摂るように心がけることが大切です。


骨代謝に重要なカルシウムの働き

 カルシウムは体中に最も多く存在するミネラルで、体重の1〜2%を占めています。そのうち99%が骨や歯に、残り1%が血液中に存在しており、必要に応じて細胞に運び込まれています。
 カルシウムの貯蔵庫ともいえる骨は絶えず作り替えられており、カルシウムは骨を常に出たり入ったりしています。血液中や細胞に存在する残り1%のカルシウムは心臓や筋肉の収縮を正常に維持したり、神経を安定させたり、血液凝固を促進するなど、さまざまな役割を果たしています。
 これらの働きに寄与しているカルシウムが不足すると骨がもろくなったり様々なトラブルのリスクが上がります。