カルシウム不足で起こる「カルシウム・パラドックス」

 カルシウムと聞くと「骨を作る栄養素」という印象がありますが、実は骨だけではなく、「全身の健康」にも影響していることがわかっています。
 カルシウムが不足すると、まず頭に思い浮かぶのが「骨粗鬆症」。ですがこの他にも高血圧・動脈硬化・糖尿病・認知症・変形関節症など色々な生活習慣病のリスクも跳ね上がります。
 これは体がカルシウム不足を感知すると、副甲状腺ホルモンが働いて骨からカルシウムを溶かし出して、血管・脳・軟骨や細胞の中など、血液に乗せて足りない所に届けようとします。その際に、血中のカルシウム濃度が高まるのですが、これが血液の流れを悪くしたり、余剰分が血管壁に沈着し血管を詰まらせる原因となっていくのです。
 このように足りないカルシウムを補おうと、骨や歯から必要以上のカルシウムが血液中に溶け出して余分なカルシウムが体内に溢れる現象を「カルシウム・パラドックス」といい、様々なトラブルの引き金になります。

骨まで届かないカルシウムの弊害

 カルシウムが不足している、それならサプリで補えばいいじゃない。このように考える方は多いのではないでしょうか。確かに、ドラッグストアやコンビニに行けば、手軽にカルシウムのサプリメントは手に入ります。
 ですが、それらサプリメントは果たして本当に、骨まで届くのでしょうか?
骨に届かないカルシウムは、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織の石灰化、泌尿器系結石、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などのさまざまな健康障害を引き起こします。
通常の食事からでは過剰症の心配はありませんが、市販のサプリメントを摂る際には注意が必要です。

 では、カルシウムでありながら、骨まで届かないカルシウムとは一体どのようなものなのでしょうか。それは製造の過程ですでにイオン化(活性化)しているカルシウムや、体に吸収されないカルシウムの事です。
 本来、体の中でゆっくりとイオン化しながら骨に届くはずのカルシウムが、体に入れる前からイオン化してしまっているため、骨に届く前に血液や細胞などに沈着してしまうのです。健康に良かれと思って摂ったカルシウムですが、骨に蓄積されなければ、むしろ健康被害の引き金となってしまうのです。